NISAと変額保険の違いと比較!併用のメリットとどっちが有利か徹底解説

  • NISAと変額保険の具体的な違いがわからない…
  • 変額保険の方が保障もあるからNISAよりいいっていうけど本当かな…
  • 誰か客観的にNISAと変額保険の違いを教えて!

変額保険のほうがNISAより良いと勧められて、それならみんな変額保険に入るだろうと疑問に感じていませんか?

保険営業は保険販売が仕事なので、例えNISAの方が優れていても変額保険のメリットを強調してきます。

実は変額保険とNISAの違いを正しく説明できない保険営業は多いです。

私は大手保険代理店で13年間FPとして勤め、2,000世帯以上の保険・資産形成相談を受けてきましたが、変額保険とNISAの違いすら案内されず変額保険に入って後悔している人をたくさん見てきました。

そこでこの記事では現役FPである筆者がNISAと変額保険の違いについて客観的な事実を教えます。

この記事を読めば保険営業や他サイトでは得られない変額保険についての情報を知ることができます。

結論はNISAを軸に考えればいいだけです。

それだけで変額保険よりリスクを抑えつつ、より良い備えができます。

この記事でわかること
  • 変額保険よりNISAのほうが資産形成に優れていること
  • 「保障がある」は変額保険に入る理由にならない!掛けすて保険でカバーすればいいだけ。
  • 金融知識がある顧客利益を考えてくれるFPは、保険で資産形成を勧めません。
  • 保険・投資のことはリクルートが厳選した資産形成に特化したFPに相談がオススメです。

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目次

NISAと変額保険の違い比較表

スクロールできます
NISA変額保険
取扱い金融機関銀行・証券会社保険会社
開始前の審査あり
(1人1口座の為)
あり
(健康告知)
開始年齢18歳〜0歳〜
最低投資額100円〜
(金融機関による)
5,000円〜
(保険会社による)
増減額・中断・再開可能原則不可
保障なしあり
投資銘柄数最大13銘柄
(保険会社による)
運用益への課税非課税一時所得税
贈与税
確定申告・住民税の申告不要必要
損益通算不可不可
解約控除なしあり

NISAと変額保険は保障の有無以外にも細かい違いがたくさんあります。

この比較表は特に重要な部分を抜粋したものですが、

『積立金の増減・中断・再開』『運用益への課税』『解約控除』の違いは必ず理解しておいて下さい。




変額保険のメリット

  • 【メリット①】保障がある
  • 【メリット②】一般生命保険料控除が使える
  • 【メリット③】相続税非課税枠が使える

【メリット①】保障がある

変額保険の最大のメリットは保障があることです。

保険なので万が一の時は運用成果に関係なく保険金を受け取れます。

もし契約してすぐ死亡しても死亡保険金があるので安心です。

NISAと違い変額保険には保障があります。



【メリット②】一般生命保険料控除が使える

年間保険料に応じて一般生命保険料控除が使えます。

年末調整や確定申告をすれば所得税4万円、住民税2.8万円まで節税できます。

NISAは掛金控除がないので、変額保険のメリットです。



【メリット③】相続税非課税枠が使える

死亡保険金は生命保険の相続税非課税枠が使えます。

基礎控除に加えて使えるので相続税対策に有効です。

相続税非課税枠

生命保険の相続税非課税枠 = 500万円 × 法定相続人の数

(例)500万円 × 3人(妻・子2人)= 1,500万円が生命保険の相続税非課税。

NISAはこのような相続税の優遇はありません。




変額保険のデメリット

  • 【デメリット①】運用効率が悪い
  • 【デメリット②】解約控除がある
  • 【デメリット③】健康状態によって入れない
  • 【デメリット④】投資銘柄が限られる

【デメリット①】運用効率が悪い

変額保険は運用効率が悪いので期待リターンが低くなります。

保険料から『保険関係費(手数料)』が引かれ、投資される積立金が少ないからです。

NISAは保険関係費がないので、投資される積立金が変額保険より多く運用効率が高いです。



【デメリット②】解約控除がある

契約から一定期間内に解約・減額をすると解約控除というペナルティが掛かります。

本来の解約返戻金が解約控除によって少なくされるので、損するリスクが高くなります。

契約10年以内だと解約控除が掛かる変額保険は多いです。

解約控除は保険特有のデメリットで、NISAにはありません。



【デメリット③】健康状態によって入れない

変額保険は健康状態によって入ることができません。

健康状態が悪いと保険会社は保険金を払うリスクが高くなってしまうからです。

ほとんどの変額保険は5年以内の傷病歴を問われる
主な告知事項
  • 直近3ヶ月以内の医師の診察・検査・治療・投薬の有無
  • 直近5年以内の入院・手術の有無
  • 直近5年以内に初診から終診までの間が7日以上に渡った医師の診察・検査・治療・投薬の有無
  • 直近2年以内の健康診断で再検査以上の指摘の有無
  • がん罹患歴の有無
  • 障害の有無

告知事項は保険会社によって異なりますし、保障がない変額保険なら告知がいらないケースもあります。

審査基準も保険会社によって全く違うので、今の健康状態で入れるか不安なら調べてもらいましょう。

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【デメリット④】投資銘柄が限られる

変額保険によって投資できる銘柄が限られます。

NISAの投資銘柄数は金融機関により異なり、具体的な開示はされていません。

でも変額保険より幅広い銘柄に自由に投資できます。

投資銘柄数
ユニットリンク13銘柄
NISA金融機関による
(成長投資枠の投資信託・ETF
だけで1959銘柄に投資可能)

大人気銘柄『米国株式S&P500インデックスファンド』や『全世界株式インデックスファンド』に投資したくても、投資できない変額保険がほとんどです。




NISAのメリット

  • 【メリット①】資金拘束されない
  • 【メリット②】運用益非課税
  • 【メリット③】長く運用しながらお金を使える

【メリット①】資金拘束されない

NISAは積立額の増減・中断・再開が自由です。

変額保険の保険料のように『固定費』ではないので、生活が苦しければ自由に積立ペースを調整できます。

投資は長く続けるほど元本割れリスクを抑えられる投資法です。

長い目でみてNISAの方が続けやすいです。



【メリット②】運用益非課税

株式投資信託で損したなら、確定申告をすることで翌年以後3年間で損した分を繰越控除できます。

三十三銀行 損益通算の詳細についてより出典

損した状態で積立金を引き出したら使える制度です。

積立金を引き出さない状態で運用成果がマイナスになっているだけでは使えません。



【メリット③】長く運用しながらお金を使える

投資信託は資産寿命を延ばす「定率取崩し」や「定額取崩し」が自由にできます。

変額保険のように満期がないからです。

  • 【定率取崩し】:定期的に資産残高の○%を取崩して使い、残りは運用継続させておく
  • 【定額取崩し】:定期的に資産残高から定額○円を取崩して使い、残りは運用継続させておく


運用したお金の引き出し方次第で、資産寿命は短くも長くもなります。

例えば60歳で3,000万円の運用資産を全額引出して使った場合、取崩して使った場合だと、全額引出して使った場合の方が資産が早く枯渇します。

①運用資産を全額引き出し、毎月10万円使った場合

25年後の残高:0円

②運用資産のうち毎月10万円を取り崩し、残りは運用を継続した場合(年率5%計算)

25年後の残高:1,846万円

40年後の残高:614万円

運用資産を全額引出して全額すぐ使わなければいけない状況を除き、資産寿命を延ばしながらお金を使う人が多いです。

運用資産のお金の使い方だけで、人生は大きく変わります。

FP相談ならお金を使うフェーズの出口戦略もしっかり教えてくれるので、聞いてないなら相談しましょう。




NISAのデメリット

  • 【デメリット①】対面窓口で始めると損しやすい
  • 【デメリット②】損益通算(繰越控除)できない
  • 【デメリット③】投資限度額がある
  • 【デメリット④】運用資産を相続するには同じ金融機関の口座が必要
  • 【デメリット⑤】海外居住者はNISAをできない

【デメリット①】対面窓口で始めると損しやすい

銀行・証券会社の対面窓口でNISAを始めると損しやすいです。

担当者は営業なので、運用費用が高く販売者手数料が高い投資先を勧められるケースが多いからです。

最低限の投資知識がないと保険も投資も搾取される側になってしまいます。

自分の大切なお金は自分しか守れないので、そのためには最低限の投資知識はつけた方がいいです。

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【デメリット②】損益通算(繰越控除)できない

株式投資信託で損しても、投資信託のような繰越控除ができません。

三十三銀行 損益通算の詳細についてより出典

投資信託でも積立金を引き出さない状態で、運用成果がマイナスになっているだけでは繰越控除は使えません。



【デメリット③】投資限度額がある

NISAは好きな金額を無制限に投資できません。

NISAは1人1口座までしか作れず、1人あたりの投資限度額も決められています。

スクロールできます
新NISA
積立投資枠成長投資枠
年間投資限度額120240万
生涯投資限度額1,800万
(うち成長投資枠1,200万まで)
投資可能期間無期限
運用期間無期限

変額保険ならNISAの限度額以上に保険料を設定できます。



【デメリット④】運用資産を相続するには同じ金融機関の口座が必要

NISAをしていた人の運用資産を相続するには、同じ金融機関で口座がないと相続できません。

例えば楽天証券でNISAをしていた人が死亡した場合、遺族が同じ楽天証券で証券口座を持っていないと、口座開設してからの相続となり時間が掛かります。

死亡したらすぐ死亡保障が払われる変額保険との大きな違いです。

でも保障がいらない人なら相続に時間が掛かっても経済的に困ることはないでしょうし、別に生命保険に入っていれば死亡保障を受け取れるので大きなデメリットにはなりません。

ポイント

このデメリットを強調する保険営業もいますが、対策はいくらでも打てるので大きなデメリットじゃないです。



【デメリット⑤】海外居住者はNISAをできない

海外居住者はNISAを始めることができません。

NISAは『日本国内に住んでいる18歳以上の人』が対象だからです。

今後海外転勤や海外在住となる可能性が高い場合、5年以内の帰国しないとNISA口座は維持でません。

もし海外転勤・海外在住となる予定が既にあるなら、金融機関によって対応が異なるので確認しましょう。

また変額保険であっても保険会社によって規定があるので、確認が必要です。




NISAと変額保険の運用成果を比較!

同じ年率リターンだった場合、NISAのほうが変額保険よりリターンが高いです。

変額保険は保険料から『保険関係費(手数料)』が引かれており、投資されている積立金が少ないからです。

比較条件
  • 変額保険:ユニットリンク
  • 年齢 : 30歳
  • 性別 : 男性
  • 月額保険料 : 2万円
  • 保険期間・払込期間:70歳まで

※運用益への課税は考慮してません※

スクロールできます
死亡保障払込累計70歳時
年3%の場合

(返戻率)
70歳時
年6%の場合

(返戻率)
ユニットリンク1,402万960万1,402万
(146%)
3,053万
(318%)
NISA960万1,852万
(193%)
3,983万
(415%)
差額1,402万−450万−930万

変額保険は一時所得税が課税され、差額はもう少し広がることを考えるとNISAの方がお金を増やせます。



投資信託とNISAの違い比較表

投資信託と比べて損益通算ができないことや年齢制限もありますが、NISAは運用益非課税が大きなメリットです。

スクロールできます
投資信託NISA
取扱い金融機関銀行・証券会社銀行・証券会社
開始前の審査なしあり
(1人1口座の為)
開始年齢0歳〜18歳〜
最低投資額100円〜
(金融機関による)
100円〜
(金融機関による)
増減額・中断・再開可能可能
保障なしなし
投資銘柄数5,700銘柄
(2023年12月時点)
金融機関により異なる
運用益への課税利子所得税非課税
確定申告・住民税の申告源泉徴収にすれば不要不要
損益通算可能不可
解約控除なしなし

投資信託を始めようと思っていて、NISAをやっていないならNISAから始めることをオススメします。

またNISAを限度額まで投資しており、投資信託を考えていたなら変額保険より投資信託の方が良いです。




保障が必要なら収入保障保険に入れば完璧!

保障があるという理由だけで変額保険を選ぶのはもったいないです。

保障が必要なら収入保障保険に必要最低限入れば万が一があっても完璧な備えができます。

変額保険で払う『保険関係費(手数料)』より、収入保障保険の掛捨て保険料の方が安いケースが多いです。

NISAは変額保険以上の運用成果を見込めます。

NISAと収入保障保険を併用すれば、掛捨て保険料を含めても保障・運用ともに変額保険の上位互換になります。

ポイント

万が一のことがあったら変額保険は死亡保障のみ。
NISAと収入保障保険は死亡保障と死亡時までの積立金の両方を
遺せます。




NISAがオススメな人

  • 保障がいらない人
  • 投資目的で変額保険を考えていた人
  • ストレスなく自分のペースで投資したい人
  • 無駄な保険料を払いたくない人

このような人は変額保険よりNISAがオススメです。

特に独身者や子なし夫婦など保障の必要性が低いのに投資目的で変額保険を考えているなら、お金と時間がもったいないのでやめたほうがいいです。

もし将来のために投資を始めたいなら、運用益非課税にできるNISAから始めましょう。

変額保険がオススメな人

  • 貯蓄型保険で相続税対策をしたい人
  • 保険以外で投資をしない人
  • NISAを限度額まで使い切っている人
  • 海外転勤・居住が決まっている

このような人は変額保険がオススメです。

特に保険以外で投資を考えないなら、変額保険に入って投資した方がただ貯金しているだけよりお金が増える可能性が高いです。

でも払済にする前提で変額保険に入ることを勧められるケースがありますが、無意味なのでやめましょう。

 

客観的にみて変額保険よりNISAのほうが効果的に投資できるのは事実なので、もし興味があればFPに相談がおすすめです。

相談窓口によって、NISAを投資開始から売却までサポートしてくれるので安心です。




変額保険とNISAの併用はありか?

変額保険とNISAを併用することは無意味です。

NISAの方が運用益非課税もあり期待リターンが高く、保障が必要なら収入保障保険に入れば変額保険以上の保障を持てるからです。

変額保険を少額で入っても、保障額は低いしNISA以上の運用成果を期待できません。

併用するくらいならNISAの積立額を上げるか、収入保障保険の保障額を上げてあげましょう。




【ぶっちゃけ】NISAの方がオススメ

現役FPから客観的にみて変額保険よりNISAの方がオススメです。

変額保険のメリットは『保険に入っている安心感を得られる』以外ありません。

偏った意見に感じるかもしれませんが、変額保険とNISAどっちかと言われたらNISAの方が優れている事実は比較をみても明らかです。

この事実は保険営業や他サイトでは変額保険販売ができなくなるので教えてくれません。

筆者としては変額保険に入ってもらった方が販売手数料が高く儲かるので嬉しいですが、どっちが『顧客利益優先』かを考えたら間違いなくNISAです。




まとめ

この記事の結論
  • 変額保険よりNISAがオススメ
  • 保障が必要なら収入保障保険に入れば完璧
  • 変額保険とNISAの併用は無意味なのでやめたほうがいい
  • 『NISAと収入保障保険』は保障・運用面ともに変額保険の上位互換になる
  • 保険・投資のことはリクルートが厳選した資産形成に特化したFPに相談がオススメです。

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