- 最新の医療保険のほうがいいと、アフラック『リーズン』を勧められた。
- 今の時代にあった医療保険だから、入った方がいいというけれど本当なのかな…
- リーズンに入るべきなのか、誰か客観的な意見を教えて!
「昔の保険だと短期入院が弱いから、最新の医療保険なら安心です!」と、アフラックの『リーズン』を提案されるケースは多いです。
『新しい・最新』という言葉がつくだけで、不思議と「新しいものに入っておけば安心だ」と感じてしまいますよね。
でも実は、新しいから良い保険とは限らないし、そもそもリーズンのコンセプトを理解すると、医療保険いらないんじゃないと考える人もいます。
そこでこの記事では、業歴13年現役FPとして2,000世帯以上の保険・資産形成の悩みを解決してきた筆者が、アフラックのリーズンについて客観的真実を教えます。
最後まで読めば、この保険に入るべきかどうかをあなた自身で判断できるようになり、医療保険で1円もムダな保険料を払わないですみます。
- アフラックのリーズンに入るべき理由がない
- この内容・保険料なら実費型医療保険や都道府県民共済で十分
- 公的保障、費用対効果を含めて考えると、医療保険に2,000円以上払うのは正直もったいない
- もし医療保険に入るなら、保険料を抑えて浮いたお金を貯金と、健康増進費用に充てよう
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【大前提】医療保険がないと入院したら生活破綻する?
医療保険がいる・いらないの判断基準は『入院したら経済的に困窮し、生活破綻するかどうか』だけです。
- 収入の柱である人が死亡し、生活が成り立たなくなってしまう
- 自動車で人を轢いてしまって、多額の損害賠償をしなければならない
- 住宅ローンが残っているのに、火事で持ち家が全焼してしまった
たとえば、「入院・手術をしたら経済的に困窮しm生活破綻するかどうか」と聞かれると、ほとんどの人が『医療費で生活破綻することはない』と答えます。
なぜなら、日本は公的保険が非常に手厚いので、民間保険に頼らなくても医療費をカバーできる人がほとんどだからです。
私はFP業務の中で、数えきれないほど医療保険・がん保険などの請求を受けたり、多くの入院歴がある相談者に話をする機会もあり直接『医療保険のおかげで生活破綻せずに済んだか』を聞きました。
しかし、医療費で生活破綻した人はひとりもいませんでした。
もしあなたが「医療保険がないと生計がたてられない!絶対に生活が破綻する!」と考えるなら、医療保険を考るべきなのかもしれません。
しかしそれなら、医療保険に入る前に家計・資産状況を優先すべきで、保険料を払っている場合じゃありません。
公的保障、会社員なら傷病手当金などの所得補償がある。
医療保険がないと生活破綻するは現実的ではない。
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アフラックの新商品『REASON(リーズン)』の特徴
- 【特徴①】基本保障がシンプルに
- 【特徴②】特約一覧
【特徴①】基本保障がシンプルに
基本保障(主契約)が一時金タイプの『治療給付金』と従来の『日額保障』を兼ね備えた、シンプルな仕組みです。
- 治療給付金 → 高額療養費の自己負担額をもとに『治療費』をカバー
- 日額保障 → 治療費以外の諸費用(ベッド代・病院食代・テレビ、交通費などの雑費等)をカバー
治療給付金だけあれば十分かな…
このようなニーズに対応できるよう、日額保障を削って保険料を抑えることもできます。
ちなみに治療給付金は必ず持たなければいけない保障で、1ヶ月型と4ヶ月から選択します。
一般的な入院頻度は少ないので、1ヶ月型を選ぶ人も多い
【特徴②】特約・特則一覧
リーズンの特約・特則は全部で11個あり、今までのアフラックの医療保険と違い、特約の中途付加はできません。
また『がん診断一時金特約』がないのも、他社との違いです。
特約・特則名 | 支払事由 |
---|---|
先進医療特約 | 先進医療を受けたとき |
三大疾病無制限 治療特約 | 三大疾病で入院・手術・放射線治療 を受けたとき |
三大疾病一時金特約 | 三大疾病で所定の条件に 該当したとき |
三大疾病保険料払込 免除特約 | 三大疾病で所定の条件に 該当したとき |
通院特約 | 主契約の支払い事由に該当したあと 所定の期間で通院したとき |
女性疾病入院特約 | 女性疾病で入院したとき |
女性特定手術特約 | 女性疾病で所定の手術を 受けたとき |
入院給付金不担保特則 | 入院給付金(日額保障)を 外すための特則 |
手術・放射線治療 不担保特則 | 主契約の治療給付金(手術・放射線) を外すための特則 |
上皮内新生物 一時金特則 | 上皮内新生物と診断されたとき |
健康祝金特則 | 3年毎に所定の条件を 満たしたとき |
特約はつければ保障が充実して安心感が生まれますが、保険料が高くなってしまいます。
保障と保険料のバランスは非常に重要なので、特約をつけすぎるのはやめましょう。
ごく稀にすべての特約をつけて契約している人を見るが、
そこまで手厚くする必要はなく、逆に保険料がムダになる。
デメリット
- 【デメリット①】治療給付金の月数カウントがわかりにくい
- 【デメリット②】180日ルールの適用条件が厳しい
- 【デメリット③】特約中途付加ができない
- 【デメリット④】旧商品(エバープライム)にあった特約がつけられない
【デメリット①】治療給付金の月数カウントがわかりにくい
治療給付金は『入院だけ』と『手術・放射線治療』をするかによって、カウント方法が変わります。
簡単に考えるなら、『手術・放射線治療』で治療給付金の対象になったら、1ヶ月型・4ヶ月型ともに月数のカウントはされないと考えれば大丈夫です。
逆に『入院だけ』で、『手術・放射線治療なし』で終わった場合、月数はカウントされてしまいます。
この治療給付金の月数カウントは分かりにくいので、注意しましょう。
【デメリット②】180日ルールの適用条件が厳しい
病気・ケガどちらでも治療給付金で決めた限度月数(1ヶ月型・4ヶ月型)を使い切ると、次に保障できるのは180日以上先になってしまいます。
従来の医療保険なら『病気の入院』と『ケガの入院』を分けているので、病気の入院で保障限度日数を使い切ったあと、すぐケガで入院しても保障できます。
しかし、リーズンは病気・ケガを区別しておらず、それができません。
1ヶ月型で『入院だけ(手術・放射線治療なし)』を繰り返すと、次の入院保障開始まで180日空けなければならず、時間が掛かってしまうのはデメリットです。
【デメリット③】特約中途付加ができない
『その時の状況・考えに合わせて特約中途付加ができるから安心』というのが、他社とはアフラックの売りでした。
しかし、リーズンでは特約中途付加ができなくなり「アフラックの売り」が失くなってしまいました。
- 特約中途付加をする人が少ない
- 特約中途付加は「健康状態の審査」があり、手間がかかり費用対効果が悪いため
- 医療保険自体を見直しする人が多い
実際、私もアフラックの契約者から相談を受けますが、保険料が高くなるから、特約中途付加をする人はほとんどいません。
そう考えると、あまりデメリットにならないでしょう。
【デメリット④】旧商品(エバープライム)にあった特約がつけられない
リーズンで失くなってしまった特約が多数あり、旧商品より保障範囲が狭くなりました。
- 特定生活習慣病保障給付金特約
- 就労所得保障特約
- 介護・認知症特約
- 終身死亡特約
介護、死亡、働けないときの保障などを、医療保険に特約をつけて保障することができなくなっています。
でも医療保険にこれら特約をつけるメリットがもともとないので、こちらもそこまで大きなデメリットにはならないでしょう。
もしこれらに備えたければ、別の保険に入って備えましょう。
メリット
- 【メリット①】自分好みのプランにできる
- 【メリット②】上皮内新生物の保障をどうするか選べる
- 【メリット③】持病があっても入りやすくなった
【メリット①】自分好みのプランにできる
人それぞれ医療保険に求める保障は違います。
そんなとき、リーズンは色々な選択ができる保険です。
最低限の保障でいい
→ 治療給付金だけ
心配なところだけ手厚く
→ 治療給付金+特約
治療費+ベッド代に備えたい
→ 治療給付金+入院給付金
このように、あなたの考えに合わせて補償をカスタマイズできるのは嬉しいポイントです。
【メリット②】上皮内新生物の保障をどうするか選べる
旧商品(エバープライム)は上皮内新生物の保障割合が、がん診断一時金の10%のみでしたが、リーズンになって選択肢が増えました。
(例)三大疾病一時金:50万円の場合
- 保障割合100%:50万円
- 保障割合10%:5万円
- 上皮内新生物の保障なし:0円
そもそも、アフラックの考え方として上皮内新生物に大きな保障は必要ないという考えがあり、保障割合10%にしていました。
実際、私の相談者で上皮内新生物に罹ってしまった方から、治療費の話を伺ったことがありますが、医療保険やがん保険に頼るレベルの出費ではなかったそうです。
- 診断名:子宮頸部上皮内がん
- 入院:1泊2日
- 手術:あり
- 費用:5万円(高額療養費適用外)
こう考えると、上皮内新生物の保障を手厚くする必要はなく、基本保障だけで十分です。
選択肢が増えたのはメリットですが、保障の必要性については低いといえます。
【メリット③】持病があっても入りやすくなった
持病がある人向けの審査が大幅に緩和され、他社の『緩和型医療保険』と同水準になりました。
変更前 | 変更後 |
---|---|
・健康状態について細かく申告が必要 ・緩和型保険料 + 部位不担保になることがあった | ・簡易的な健康状態の申告で良くなった ・緩和型保険料なら部位不担保が付かなくなった |
ほぼ確実に緩和型医療保険しか入れないのに、ムダなプロセスと不利な契約条件になってしまっていた旧商品と違い、リーズンなら検討しやすくなったのは嬉しいポイントです。
ぶっちゃけオススメ?『リーズン』について現役FPの客観的意見
- リーズンに入るべき理由がない
- 『あったら助かる』と『ないと困る』は違う
リーズンに入るべき理由がない
シンプルな保障にして、旧商品より保険料を下げたのはユーザー目線で考えればとても良い改善点です。
しかし、医療保険に頼らないと入院・手術したときに生活が破綻するケースはほとんどないことを考えると、特別この保険に入る理由はありません。
今の時代、給料は上がらず、物価が上がり、日々の生活だけで厳しい人も多いです。
それなら、入院・手術したときしか使えない医療保険に、あなたの貴重なお金を使うより、入院してもしなくても困らない状況を作る方が先決でしょうし、FPとしておすすめです。
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『あったら助かる』と『ないと困る』は違う!
入院した人に話を聞くと
医療保険があって助かった
医療保険に入っておけばよかった
このように言う人は多いです。
確かに、入院してしまったときにお金がもらえて嫌な気持ちをする人はいないでしょう。
しかし、医療保険に長年入っているものの、入院したことがない人に話を聞くと、
保険料がムダに感じるのでいらない
保険料を抑えて、ジムに行くなど健康増進費用に
充てた方が効果的だ
このように、正反対の意見が多くなります。
これは宝くじと同じで、当たった人と当たらなかった人に感想を聞いたら、全く違う意見になるのは当然ですよね。
どっちが正解・不正解というものはありませんが、私の経験上『医療保険がなかったら生活が破綻していた』という人は、一人もいません。
- 高額療養費など公的保障が充実しており、自己負担額が少ない。
- 年金生活者になれば収入が下がり、連動して高額療養費など公的保障の自己負担が減る。
- 会社員なら、傷病手当金で給料の一部が支給されるので経済的に困りにくい。
- 長期入院のほう経済的ダメージが大きいが、いまは短期入院の時代。長期入院はほぼできない。
- 医療費は掛かるが、一時的なものであり問題ないケースが多い。
状況によりますが、死亡したら経済的ダメージが深刻にだから『ないと困る生命保険』と違い、
入院・手術で一時的に経済的ダメージがあっても、そこまで大きく困りにくい医療保険は『あったら助かる』でしかありません。
保険は本来『ないと困る』状況に対してかけるもの。
実は『医療保険がないから困る』という状況の人はほとんどおらず、入る価値が低い保険といえます。
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医療保険で損しないための基礎知識
- 費用対効果が低い保険(実例あり)
- 保険料累計額をチェック
費用対効果が低い保険(実例あり)
医療保険は保険料に対して、いざという時に受け取れる給付金が少ない保険です。
繰り返し入院したとしても、支払い保険料以上の給付金を医療保険から受け取れることは、ほとんどないと考えてください。
10年間で入院14回、手術3回以上を受けた人がいましたが、
・医療保険からの給付金累計:約100万
・医療保険への支払い保険料累計:約160万
なお、保険料は終身払いなので支払い保険料は増え続けていきます。
そもそも、保険は損得で考えるものではありませんが、医療保険は生命保険と違い、なくても生活破綻するリスクが低い、必要性の低い保険であることを理解しておきましょう。
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保険料累計額をチェック
医療保険に入るなら、保険料をいくら支払うことになるのかを必ず確認しましょう。
それだけで、医療保険に入る価値があるか、医療保険がいらないかどうかがわかります。
- 年齢:30歳
- 性別:女性
- 保険料:5,000円
- 払込期間:終身払い
- 平均寿命:87歳(57年間)
※終身払いはいつまで払うかわからないので、平均寿命をもとしましょう。
・保険料3,000円 × 12ヶ月 × 57年 = 累計保険料342万
医療保険でもとが取れないということは、入院・手術で342万円も医療費が掛からない可能性が高いということです。
実際、リーズンで342万円を受け取ろうとしたら、単純計算34ヶ月もの入院が必要です。
果たしてそんなに入院する可能性はあるでしょうか。
- 累計保険料以上に貯金があるなら、医療保険はいらない
- 入院・手術をして医療保険を累計保険料以上に使う可能性と、貯金して累計保険料相当額を貯められる可能性、どっちが高いか
累計保険料を計算して、以上をチェックしてください。
一般的に見れば、貯金して累計保険料相当額を貯められる確率のほうが高いです。
ただし、貯金している間の入院・手術がこわいなら、お金が貯まるまでの間だけ医療保険に入るのはありでしょう。
1円もムダにしない医療保険の備え方は別記事で詳しく解説してますので、ご覧ください。
よくあるQ&A
まとめ
- アフラックのリーズンに入るべき理由がない
- この内容・保険料なら実費型医療保険や都道府県民共済で十分
- 公的保障、費用対効果を含めて考えると、医療保険に2,000円以上払うのは正直もったいない
- もし医療保険に入るなら、保険料を抑えて浮いたお金を貯金と、健康増進費用に充てよう
- 医療保険で保険料をムダにしたくない!
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